スマホ依存の本当の原因はたぶん世界と繋がりたくないから。

正直、電車の中で大多数の人間がスマホを操作している光景は気持ち悪いし、精神的に不健全だと思う。

というと、このご時世、すぐにスマホ警察があらわれて「スマホ一台では本も映画もなんでもみれるんですぅ!やってることはてめーら老害と一緒なんで見た目で判断しないでくだしぃ!」なんて、世代間闘争にスリ変えていってしまうから始末に負えない。

これは世代ギャップの問題ではないのに。

第一、iPhone3GSからスマホを使い続けてきた僕だって、最近のみんなのやられっぷりはおかしいと思うのだから。

今の世の中、誰もかれもがスマホ依存症だ。

 

なんで、ここまで(僕を含めて)皆がスマホに依存してしまうのか?

ネットでスマホ依存症について検索をしてみたところ、大体のサイトで「他者と繋がっていたいという義務感や仲間はずれへの恐怖」と書いてあった。常時コミュニケーションが可能になった現代だからこそ、みんな逆にその輪から外れてしまうことに恐れを抱いていて、それゆえ、スマホが手放せなくなってしまうらしい。

 

僕にはこの理屈がどうにもよくわからない。

 

申し訳ないけれど僕が見ている限り、通勤電車でスマホをいじっているおじさん達はフェイスブックとかツイッターには殆どかかわっていないようなおっさんらしいおっさんだし、いくら中高生と言えども人工衛星じゃないんだから、そんな四六時中誰かから電波を受信しているわけでもないだろう。

少なくとも受信を待つだけならあそこまで画面を凝視ししていなくてもいいはずだ。

「コミュニケーションを取りたいがため」という理由が妥当性を持つのは携帯電話の主戦場が電話とメールだったあの古き良き時代までで、今ではほとんど通用しないと思う。

 

たぶん現実は逆だ。

コミュニケーションをとりたくない、つまり「世界と繋がりたくない」からこそ、みんなスマホに逃げているのだ。

 

人間関係、仕事、将来、満員電車・・・僕も含めてみんな心の中は不安や不快でいっぱいで、余計な事を考える暇が出来てしまうとすぐに、どうしようもない閉塞感や恐怖や怒りがこみ上げてくる。

これに対するもっと簡単な対処方法は「何も考えない」ことだ。

そして、人を思考停止状態にするのにスマホほど効果のある機械はない。

SNS、まとめサイトライフハックyoutube、そして、はてなブログ・・・

無尽蔵にわき出てくるどうでもいい情報をただ見続けているだけで簡単に頭をパンクさせることが出来る。

絶えず頭をパンクさせていれば、過酷な世界と向き合う暇は生まれない。

 

そういう意味でスマホは僕たちを不安から守るバリアみたいなものなのだろう。

スマホを持っていないと落ち着かない・イライラする」というのがスマホ依存の症状の代表的なものとして話されているが、バリアがなくなれば誰だって落ち着かないしイライラするさ。

 

今日も僕は満員電車に乗って通勤をする。

いつものように無理な態勢で必死にスマホを操作する多くの人たちを目撃するだろう。

それはなんだか、みんなの不安が可視化されてしまったようでやっぱり不気味だ。