「下町」が差別用語認定される日も近いかもしれない

下町っていう言葉は、

した‐まち【下町】
低い所にある市街。商人・職人などの多く住んでいる町。東京では、台東区・千代田区・中央区から隅田川以東にわたる地域をいう。しものまち。「―情緒」⇔山の手 上町 かみまち。

 と定義されるようにやや区別的な意味を含んでいて、日常で「上品」とか「高所得」のやんわりとした対義語として使われてきたと思う。不動産屋の広告の「下町情緒あふれる」なんてコピーは大抵何の取り柄もないボロ物件を心情に訴えてカバーしようとする文句だし、力強く育ったことの意味として使われる「下町育ち」だって、良きことをのように思えて「恵まれた生活環境ではない」という意味を含んでいる。

それでも、何となく僕たちが「下町」という言葉にポジティブな印象を持っていたのは自分たちが、どちらかというと「そっち側」の人間だと感じて親近感を持っていたからだ。

しかし、今世間を騒がせ、というか世間から笑われまくってる「下町ボブスレー」のせいで僕はその親近感すら失ってしまいそうだ。もしネット言われていることが事実だとすれば、某トンボ鉛筆総務部長尾ゼネラルマネージャーの言葉を借りるなら「驕り高ぶり言語道断」案件である。下町ボブスレー側の出した報告書を読んでも、担当者の立場上の驕り昂ぶりが現れた言葉遣いが随所にあり、大変、心がゾワゾワしてしまう。この一件で僕の「下町」に対するイメージは、人情街から老害街へと一気に変わってしまった。ところで、佐藤よ、元気にしているか?

さて、僕はもともとネガティブ寄りの「下町」という言葉に、下町ボブスレー事件でさらに負の要素が加わったことで今後、差別用語認定され使われなくなるのではないかと思っている。

大げさな、とは思う。でも、少なくともこれからしばらく「下町なんとか」という町おこしフレーズはイメージの悪さから使えなくなるし、ましてや絡んでいるのは大手広告代理店だ。これから、彼らの関係する場所では「下町」という言葉はタブーになる。CMやTV番組、もちろん下町ボブスレーの協賛企業である、

ひかりTV4K、ANA、伊藤忠、東芝、デサント、白銅、スカイマーク、SUS Coop、さわやか信金、城南信金、オイレス工業、kabuta、ダイドー、東レカーボン、日東工器、日本通運、日本工学院、マテリアル、ミツトヨ、D-CLUE、なんて特に。

 そして、下町のポジティブイメージの利用がなくなる反面、ネガティブな使われ方は急増する、というかしている。確かめたいなら「下町ボブスレー」でググって適当なサイトを見るといい。

こうなると、「下町」という言葉が急速に蔑称化していって、何となく今のポリティカルコネクトの流れにのり、ゆくゆくは差別用語になるのではないかと考えてしまう。

 

思い返せば「ネトウヨ」とかもこんな流れだった気がする。もともは「ネットで右翼的な言動をする人」の略語だったのに、ネトウヨ自身の行いで蔑称となってしまい今でもレッテルばりだとなんだと騒いでいる。幸い、その抗議は今の所受け入れられてないが。

そういえば、下町ボブスレー公式ツイッターの中の人もネトウヨっぽい。フィールドが違っても行動は同じなのか。