情緒的煙草馬鹿による電子タバコiQOS(アイコス)の感想。

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 ずいぶん前の話だがアイコスを買った。アイコスとは電子タバコである。もちろん衝動買い。殆どの人と同じように。というか、電子タバコを計画的に買えるような人はもうとっくにタバコ自体を止めているだろう。今時、衝動で動くバカしか喫煙者になる資格はないのだ。 

 

さて、そんなバカどもの緩い琴線を揺らしたアイコスだが、僕は使って2ヶ月になる。実際のところどうなのか書いていこう。

1、形

 

なにが良いってまず形が良い。スタイリッシュに仕上げようとした結果、ちょっとポッテリとしたwifiルーターみたいになってしまった充電ケースと、頑張りはしたもののやっぱり葉巻くらいは太いタバコ本体が絶妙にダサい。タバコはタバコだけど明らかに代用品感丸出しである。

しかし、これが逆にレトロフューチャー的で素晴らしい。この形は「タバコが吸えないディストピアで、それでも偽タバコを吸う俺」という、恐らく喫煙者本人にしかわからないであろう歪んだ自己陶酔感を与えてくれる。そこが良い。

 

そう言う「イメージ」はタバコを吸う上で一番大切なことだ。まあ、狙っては無いだろうけれど。

 

2、使い方・性能

 

従来の電子タバコと違い、アイコスは本物のタバコ葉を使う。電子タバコ本体にタバコ葉カートリッジを差し込み、それを加熱することによってニコチンを発生させる仕組みだ。

 

したがって吸うためには「タバコ本体を充電器からだす」⇨「カートリッジを出す」⇨「電子タバコにカートリッジを差す」⇨「ボタンを押して加熱を数秒待つ」という感じになる。

この仰々しいまでに凝ったギミック、男の子として嫌いなやつがいるだろうか(反語)

吸い終わりの処理も電子タバコを(わざわざ)スライドさせてカートリッジを取り出し、捨てるという凝りようである。

そのダサい形状とあいまってホント良い味出してる。

ちなみにどのくらい吸えるかというと14吸い、または6分間。6分はまあ良いとして、問題なのは14吸。

死にかけの金魚みたいにパクパクとせっかちにたばこを吸っている人だと一瞬で終わる。

タバコを滅多に入手できない嗜好品とイメージしてありがたくゆっくり吸うようにしよう。

また一本吸うごとに3分のインターバルを必要する。チェーンスモークはできないのでその辺は我慢我慢。

 

3、味・臭い

 

非の打ち所の無い完璧な「タバコのまがい物」の味である。確かにタバコの味も風味も本物に近いが、近すぎるが故にどこか科学的な味の部分が強調されてしまっているのだ。タバコ版「不気味の谷」現象とでもいうべきか。

といっても、決してまずいわけではない。ちゃんとたばこらしき味はするし、ノンアルコールビールと同様「そういうものだ」として楽しめれば十分うまい。こちらはちゃんとニコチンも入ってるしね。だいたい、タバコの味なんてのをちゃんと理解して吸っているなんてそんなにいるのかね。

 

匂いに関しては、全くと言って良いほどたばこの臭いはしない。しかし、別の臭いはする。燃えないとはいえたばこ葉を高温で加熱しているのだ。何かしらの 臭気が出るのはあたりまえだろう。

そしてそれは嫌な匂いでは決して無い・・・が今まで嗅いだことの無いであることは確かだ。薬品の様な実験機器の様な、科学の匂いだ。まあ、これも慣れればどうってこと無い。従来のたばこの臭いに比べれば。

 

あと、この電子タバコ、煙もでる。正確には水蒸気で、これ自体に匂いは無い。雰囲気作りのためにあえて出しているそうだ。どこまでも科学、どこまでもまがい物である。

 

4、不自然なレトリック。タール・ニコチンの謎

 

アイコスは結構吸いごたえがある。箱に記載は無いものの、普段ハイライトを吸っている僕がそう思うのだから、きっと結構な量のタールやニコチンが含まれているのだろう。そう思って一回キャンペーンのお姉さんにその辺の値を聞いてみた事がある。

するとお姉さんは「タールやニコチンの量というのはタバコを燃やしてその煙から測定するんです。でもアイコスは燃やさないのでニコチンの量などを箱に書かなくても良いんですよ」とにこやかに言い放った。

なんだか、ぜんぜん腑に落ちない。

アイコスを吸う以上、僕は確実にタールやニコチンを摂取するわけで、箱に記載があるかどうかとは全然別の話である。実際の量が知りたいのだ。

僕は。

その後も質問をいくつか続けたがお姉さんは笑みを浮かべつつも結局はっきりとした答えをくれなかった。

 

僕は、アイコスを吸っている最中、割と頻繁に息苦しさを感じる。何か強い刺激で気道が急速に腫れていく様なそんなイメージだ。ハイライトではこんなことは全く起こらなかったのに。 

 

もしかするとアイコスには、大量のタールやニコチンあるいは化学物質が入っているのかもしれない。

そう考えると「燃やさないから書かなくても良い」という法の抜け穴の様なセールストークはいかにも怪しい。まあ、これは完全な邪推だけど

 

ただ、タール・ニコチンというタバコがタバコである最大の要因をまるっとブラックボックス化して流通させているこの感じ、ますますアングラ感がしてそれはそれで良いのでは無いだろうか。

 

まとめ

 

デザインといい味といい、非の打ち所の無い「タバコのまがい物」

ただ、その怪しさや不完全さが妙にかっこよく愛着が湧くことも確か。

このレトロフーチャー的な価値観に共感できるのであれば、あくまでタバコの代用品として買ってみる価値は有り。

ずっとアイコスを吸い続けてからのハイライトは格別ですぜ。