「営業に向いていない人」のたった一つの特徴

僕は社会人になってからもう10年弱営業職についている。まーこの世に営業ほど就職先として嫌われる職種は無い。グーグルのサジェストでも営業職と入力すると「きつい」だの「離職率」だのそういうネガティブなワードが並ぶ。確かに、ノルマがあったり取引先の人と信頼関係を気づくために気を使ったり色々大変なことは事実だ。

ただ同時に実は営業職にはいい所も沢山もある。

会社員として、一番時間に縛られることなく自由に動ける職種だし、ある程度まともにやっていれば社内での人間関係に煩わされることも無い。これほどのフリーハンドを与えられている職種は他に無いのでは無いだろうか?

それに、一口に営業職といっても業界や会社によってやり方は様々。飛び込みスタイルで「信頼関係で客を掴んでこい!」的なところから、建前でなく「本当に顧客の必要としているプランをたて皆と協力してそれを実現させろ」という割とクリエイティブ職に近い所、果ては「うちは商品がいいから勝手に客がくるよ」という殿様営業的な所まで本当に沢山ある。

おそらく、業界や社風さえマッチすれば、どんなコミュ障でも口下手でも酒嫌いでも卑屈でも、不思議とお客はつくし、とりあえず営業としてやっていけるだろう。

 

かように営業職というのはかなり間口の広い職種なのだ。

加えて転職にも有利だから、一定の期間が過ぎれば割と乗り換えも容易。合わないなら移って仕舞えばいい。きっと君に会う営業職があるはずだ。

 

ただ、そんな「悪いようにはせんから、誰でもこい!」的な営業職の中にあって唯一はっきり「営業職に向いていない」と言える人の特徴を僕は最近発見した。

 

それは

「他人に対して興味が無い」という人である。

 

 偏屈な学者とか研究者がとかがイメージとしてわかりやす例だけれど、意外と普通の人の中にもそういうタイプは存在する。

別に、空気も読むし、彼女もいるし、友達もいるし、目立った人間関係の問題も無いけれど心の根底に「自分は自分だし、他人が何をやろうとその人が決めたことだから仕方が無い。一応忠告はするけれど」という思いが強くあるタイプの人が。

 

営業職として、この思いが強ければ強いほどマズイ。

営業職は共通して「人の心を動かす」ことを必要とされる仕事だから、「他人は他人だし」という理屈は基本的に通らない。

すると、自分を突き動かす動機が「営業目標」だとか「社会的地位」だけになるわけで、「(同僚も含め)他人に興味の無い人たち」にとって、そんなものために100%の力が発揮出来る訳もなく、会社からの批判と自分の感情との板挟みに苦しむことになる。しかも、この性格では「辛かったけどお客様が心から喜んでくれた」「お客様の力になれた!」という一種のブレイクスルーも経験しづらい。共感力が無いからね。

なので結果的に、ただただキツいだけの成長も無いルーティンワークとして営業をこなさざるをえなくなる。

 

これは良い悪いの話ではなけれど、最低限「友達のために涙したことがある・本気で怒ったことがある」程度の関心を他人に持つことの出来る人間じゃないと営業は向いていないと思う。

 

 

ちなみに、僕も心の底では「他人に興味が無い」人間の1人である。

大学時代、ほんの一週間前まで酒を酌み交わしていた割と親しい先輩が突然自殺した時も「まあ、そういうこともあるだろうな」程度の感情しかわかなかった地点で、気がついておけばよかったのだけれど、その事をはっきり自覚したのはほんの数年前である。

 

あーどうしよう。いまさら「もっと他人に興味を持て」と言われてもなあ。どうすればいいのか。人の心なんて他人がどうこうした所で動かせるわけ無いじゃん。どうにかしようなんておこがましい。そう思わない?そして君は大丈夫?

僕の社会人人生はあと30年弱残っている、今後が本当に不安である。