【突発性難聴】もし、耳が壊れたら全ての予定を投げ捨てろ!
僕は数年前、突発性難聴になった。ある朝、本当に突然に。
聴力は著しく下がるし、そのくせ耳元で蝉の鳴いているレベルの耳鳴りが大音響で聞こえるし、頑張って人の声を聞こうとしてもハウリングのように脳に突き刺さるしで、もうこれは「難聴」なんてレベルは遥かに超えていて「耳が壊れた」という感じに近い。
中でも四六時中大音響で鳴り続ける耳鳴りは特に辛く、生きている間中僕の精神を激しく衰弱させた。だって耳は閉じれないのである。それまでの、まともな日常が送れるわけが無い。街でも教室でも寝室でも常に耳元で不快な雑音が響いているのだから、どんな人だって頭がおかしくなるだろう。
一時期は「いっその事、全聾になれれば楽なのに・・」と思った程だった(全聾になっても耳鳴りは残るらしいから救いが無い)
ただ、幸いなことに僕は適切な治療と多少の幸運により、突発性難聴を治す事ができた。
今考えてみると、あの時が人生最大のピンチだったと思う。もし適切な治療を受けられていなければ、僕はこんな能天気にブログなんて書いてられなかっただろう。仕事を失い、自室に閉じこもり、静かに狂っていたかもしれない。
それほど、辛く苦しい病気なのだ。
にもかからず、世間の突発性難聴への理解度は今ひとつというところ。
耳が壊れても「まあ、そのうち治るだろう」と楽観的に構えて、仕事にかまけているうちに人生を壊す人も少なく無い。
そこで、今回は「耳が壊れた時の初動」について書いていこうと思う。
本当は平文で書きたいんだけれど僕の文章力が無いので、今回はアフィリエイト文法で書く。
※すでに耳がおかしくて、その原因を調べるためにこの文章を読んでいる方はこれ以降読む必要はありません。一刻も早くどんな手を使ってでも耳鼻科の専門医に診察してもらってください。
1、突発性難聴とは
ある時、ある瞬間、突然耳がおかしくなる病気。聴力の低下、耳の圧迫感、耳鳴り、目眩などが主な症状。
主な症状っつっても、僕が冒頭書いたように殆ど「耳が壊れた」レベルのものなので直感的に「これはやばい」とわかるはず(目を背けない限りは)
原因は「不明」。ウイルス説とか色々仮説はあるらしいけれど、はっきりとしたことはわかっていない。とにかく何かしらの原因で耳の細胞が死滅し始めるらしい。
ただ治療法は確立されていて、ステロイドの投薬がオーソドックス(僕は星状神経節ブロックもやったかな)。大抵どこに行ってもこの方法だろう。
原因は不明ながらも、治療法はある。にもかかわらず、何故この病気が恐ろしいのかといと、それは治療開始までの猶予期間が明確に決まっている点にある。
2、治療開始のリミットは発症後48時間以内!!
まず、この病気は「治療をすれば必ず治る」という病気では無い。
完全に治るのは3人に1人。
後の人は治らないか、症状が改善したとしても何らかの後遺症を残してしまう。
何がそれを分けるのか?
大きく関係してくるのは、治療開始までの時間だ。
耳の細胞は一旦死滅してしまうと再生しない。だから、発症後一刻も早い治療が必要となる。
時間が経てば経つほど治癒の可能性は低くなっていく。
遅くとも発症後48時間以内には必ず治療を開始すべきだ。
予定がある?会議ある?そんなものはどうだっていい。
世の中には自分の耳を犠牲にしてまでやらなければいけない仕事なんて殆ど存在しないし、そもそも貴方がいてもいなくても会社や社会になんら影響はない。だから、そんな自尊心や責任感はかなぐり捨てて一刻も早く医者に行け。
仕事を優先して耳を壊す奴はバカだ!
僕も仕事の繁忙期でとても抜け出せる状況ではなかったけれど、それでも一旦全てを捨てて病院へ行った。もし、そこで仕事を取っていたら一生後悔していただろう。
一時の感情に身を任せて耳を壊してしまった自分のバカさ加減に立ち直れなかったかもしれない。
たとえ治らなかったとしても一生の後悔を残さないために早く病院に行くべきなのだ。
3、場合によっては救急外来もやむなし!
さて、治療開始までの時間がここまでシビアな病気だけに発症のタイミングは非常に重要だ。普通の平日に発症したならば仕事や家事を投げ出せば良いだけなのでまだ簡単だが連休中やお盆、正月だと殆どの医療機関がしまっているので直ぐに診察してもらうことは難しい。
かといって「連休明けにでも・・」なんて余裕をかましている暇は無い。
その瞬間にも刻一刻と貴方の耳の細胞は死滅して行っている。
第一の選択肢は町の休日診療所だか、これはお勧めしない。当番医が耳鼻科の専門医かわからないし、そもそも休日診療所には聴力測定装置が無い。
「連休明けに専門医へ・・・」と言われるのがオチである。
となると、救急外来しか無い。
耳ごときで救急外来?何ともなかったら恥ずかしい・・・なんて思うかもしれないがこの際そんなことはどうでも良いのだ。耳が守れればそれで良いんだ。
ちなみに、救急外来であっても必ず耳鼻科の専門医がいるとは限らない。病院に行く前に各地域の救急医療情報センターに問い合わせてしっかりと治療をうけられる病院はどこかも調べよう。
(参考)急病になったり、ケガをしたときは - 神奈川県ホームページ
あと、言うまでもなく、
旅行中、帰省中に耳が壊れた場合、その後の予定は全キャンセルだ。即帰宅もしくは実家周辺で救急外来を探せ。
4、治療中は医者の指示に従うこと
当たり前だが、治療は医師の指示に従って欲しい。
症状に応じて投薬のみ通院のみ等幾つかの指示が出されると思うけれど、
「入院」と言われたからって
「仕事があるんです!通院じゃダメですか?」とかバカなことは言わないで欲しい。
この病気は安静が鉄則。
耳がダメになるかならないかの瀬戸際で仕事ごときを天秤にかけてはいけない。
それに、その時は仕事優先を決意したとしても、耳が治らなかった時、それを自分の責任として潔く諦められるほど人間は強くできていない。
5、最後に
長々と書いてきたけれど、結局僕が伝えたいことは一言しか無い。
「もし、耳が壊れたら全ての予定を投げ捨てろ!」
なぜここまで言うかといえば、冒頭に書いた通り突発性難聴の症状が人生を狂わすほど辛いからだ。はっきり言って、あの壊れた耳で生きるくらいなら四肢を切断された方がまだマシだとすら思う。
だから不幸にも突発性難聴になってしまった人にはできる限り治癒率の高い方法を取って欲しいし、仮に治らなかったとしても「偽療法にハマってガンを進行させてしまった人」のような計り知れない後悔はして欲しく無いのだ。
よろしく頼むよ。ほんと。