センスもモラルも足りないクソアニメ「ポプテピピック」

「ポプテピピック」をみる。つまらない。面白くない。なんだか「心神喪失で無罪」を狙って法廷で自分の狂いっぷりをアピールする犯罪者を見ているようなどうしようもない感じがする。と言うか、ずっと公式が「クソ漫画」「クソアニメ」を自称し、無敵の人ポジションを作ろうとした上でのリリースなので狙いは殆ど一緒だろう。その思惑が気にくわない。だから、内容を見ても普通の人が狂ったフリをして作ったことがバレバレで鼻につく。

だいたい一般的な「クソアニメ」は、まともな大人がそれなりの熱意を持って集まり制作を始めたのにもかかわらず、何故か生み出されしまった突然変異種のようなもの。「構想はまともなのに実際の本編がほつれまくっている」からこそ面白く、愛されるのだ。構想段階からクソアニメを目指してしまったポプテピピックにその芽はもうない。

 

ただ、さすがにこのままのテンションでは終わらないだろう。多分、途中で今流行りの「実はここからループしてましたー!」とか「過去のあの場面とこの場面はリンクしてるんです!」みたいな、もはや間違い探しに近い伏線や叙述トリックなんかを盛り込みながら、最終的にキッズに「深い…」と思われるような着地を目指す気がする。単なる想像だけどネットに聡いスタッフならやりそうなことだ。

 

という具合に「あーもう見なくていいかな?」と思っている僕なのだけど、最後に1点だけ「これは良くない、本当に良くない」と思ったことがあったので書いておく。

 

パロディとも言えないようなパロディを乱発するポプテピピックの中に「一般の動画配信者個人」を揶揄するようなものがあった。

え?それいいの?本人に許可とったの?

確かに、モデルとなった動画投稿者は自身の生配信でちょっとした不正(犯罪行為ではない)をした挙句、それがバレて動画化され大勢から晒し上げられているような人物だ。でも、だからこそ慎重にならないと。はっきり言って彼がやった不正は概ね「黒歴史」の枠内で片付けられるくらいのもので、それが万単位の人に知れ渡ってしまったのは時代の不幸だと思う。本人もきっと忘れたいはずだ。なのに仮にも一企業が無邪気に他人の黒歴史を掘り返して、さらに多くの人に広めるってちょっとモラルがなさすぎなのでは?案の定、アニメ放送終了後に不正を収めた動画は「元ネタ」として注目を浴び、また晒し上げをくらってるよ。ダメだろ、それは。ネットリンチと何が違うの。

いくら内輪のユーザーを唸らせたいからって、ネタの線引きくらいはしっかりして欲しかったな。だいたい、今更ニコ厨唸らせたところでキモがられるだけでしょ。まあそういうセンスが欠けているから「クソアニメ」なんだろうけど。

 

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