ニューヨーク州知事が出した反トランプ声明が最高にカッコイイ
僕は別に反トランプでも無いし、むしろトランプが大統領に選ばれたことによって「ああ、世界はどうなってしまうんだろう(嬉)」と思ってしまうような、破滅願望持ちの「丸山眞男を殴ってやりたい系」下層の民なんだけど、だとしてもニューヨーク州知事が出した反トランプ声明に痺れたので以下全文転載。
わがニューヨーク州には、この国の先進性の首都であり続けたという誇るべき伝統があります。
いまほど、そのことが重要な意味を持つ時はありません
ニューヨーカーであるわれわれの思想は、運動のなかでドナルド・トランプが唱えたものとは根本的に異なります
ですからハッキリと述べておきます。是非知っておいてください。
あなたが攻撃されていると感じたら、『自由の女神』を戴く港を持つわがニューヨーク州があなたを保護するということを
あなたがゲイであるかストレートであるか、イスラム教徒であるかキリスト教徒であるか、富める者か貧しい者であるか、黒人か白人か或いは褐色系かにかかかわらず、わがニューヨーク州はあらゆる人びとを尊重し受けいれます
これは、われわれの信じること、われわれが何者であるかの核をなすことです。
また、ただ言葉でそう主張しているわけではありません。わが州法にその精神を反映しています
国家に何が起ころうと、われわれはそうし続けます。移民を迫害する連邦政府がそれをわが州で行うことは許しません
われわれは、移民の州です。われわれは、最低賃金を15ドルに押し上げた州です
われわれは、家族休暇制を導入した州です。われわれは、平等な結婚を認めた州です
われわれは、ニューヨークです
われわれは、あなた方のために立ち向かいます。そして私は、そのためにはけっして妥協はしません。
ご安心ください。
この声明には「自分たちが何を目的として誕生したか」「今まで何をしたか」「これから何をしたいか」、つまり
「我々は何者であるか」
という事が非常に明確に打ち出されている。
「ああ、これがアメリカ人だよな」と改めて思う。
もちろん、不法移民の問題や貧富の格差がより鮮明に存在するNY州がこんな声明を発表すること自体、キレイごとだという見方もできる。所詮理想論だと笑うこともできる。
しかし、それでもなお
「われわれは、ニューヨークです」
という一言には、そこに住む人々の自尊心を鷲掴みにするような力があると思う。半ば「今、今ここで踏みとどまれなかったらお前ら本当に能無しだぞ?」という脅迫的な力強さだ。
このちょっと強引な力強さがいつだって希望を生み、アメリカをここまでの大国にしたのかもしれない。まさに、
「 USA!USA!」ってな具合に。
そして、内田樹が言うところの「起源を持たない国」の国民である僕にはそれがとてもとても羨ましく見えてしまうのだ。