アラサー男がジャニーズショップ原宿(と闇ショ)に行ってきた話
原宿のジャニーズショップに行ってきた。アラサーを迎えてこんな常軌を逸した書き出しでブログを書くことになるとは思っていなかったが、真実なんだからしょうがない。
僕は原宿のジャニーズショップ行ってきた。(二回目)
というのも、僕にはかれこれ10年来の女友達が2人いて、彼女たちから中止になってしまった遊びの代替案として、「原宿ジャニーズショップ行き」が提案されたわけだ。
彼女たちがここ数年ジャニーズ(キスマイフット2、平成ジャンプ)に熱を上げていることは知っていたので、さほど驚きはしなかったが「とうとうここまで来てしまったか・・・」と不安に駆られたのを覚えている。
独身の同世代女子が婚活という剣林弾雨の最前線で殺るか殺られるかの戦いに身を投じボロ切れのようになっている中、なにヌクヌクと半裸の美少年に興じているのか、銃を取れ!弾を込めろ!おまえら女だろ!まったく。
まあ、それはそれとして、僕はこの「ジャニーズショップ原宿行き」という案を快諾した。未知への挑戦こそが人を成長させる糧となる、つまりはそういうことだ。
当日、原宿駅で待ち合わせ。原宿という町はアラサー男子にはキツイ。立っているだけですれ違い通信のごとく若者にエネルギーを吸い取られているような気がする。
待ち合わせは無事成功。着いて早々、彼女たちに
「本当に来てくれるなんて思ってなかった!」と言われる。
行くさ。友達だものね。
で、早速ジャニーズショップへ・・・というわけにはいかない。ジャニーズショップは常に人気すぎて常に入場規制がかかっている。だからまず、待機列が形成されている近くの公園に行かなければならないのだ。
公園といっても、1教室分くらいのスペースに喫煙所とゴミ箱が設置されている位の千小さなスペースである。
ついてみると、そこはほぼ十代の少女で埋め尽くされていた。少女以外も女はいたが、やはり女性ばかりである。もうもうと立ち込めるタバコの煙、ゴミ箱をあさる浮浪者、十代少女の大集団、カオスという言葉通りの場所があるとしたらこういう所だろう。
中には小学校中学年位の子もいて治安的に大丈夫かと思ったが、スイミー理論的に大丈夫なのであろう。
むしろ、その列の中に突入する僕の方が危ない。
タバコばかりが減っていく。
いざ覚悟を決めて、突入、と思ったがまたしても意外な事実。この待機列は時間ごとに区切られており、その時間帯の整理券を持っていないと並べないそうなのだ。
警備員から整理券をもらう。そこに記載されていたのは「16:00〜」という時間。
今は、「13:00」である。
やばすぎんだろ。もの売るってレベルじゃーねぞ!とアラサーおじさんは言おうとしたが、少女の無垢な目の前に断念。
しかし、あと3時間どうするか?
彼女たちから出された提案は
「闇ショ行こうよ!」
である。闇ショとは非公式でジャニーズの写真を売っている場所のこと。
「え?ちょっとそれまで喫茶店かどこかで休憩しませんか?」と言いそうになったが、その情熱を帯びた瞳の前に断念。こいつも無垢か。
結論から言うと僕は3件の闇ショをはしごした。
1件目はタブレットで写真を選び注文票をプリントしレジに出すとブツが出てくるという仕組み。すごい。やっていることはほぼ闇取引の手順と同じだが無垢な少女は軽々とこなす。ただ1人の男性客を発見。娘のつきそうだろうが大変ですね。
2、3件目は写真が展示されていて、欲しい写真の番号を注文票に記入し写真を買うという「修学旅行方式」。とにかく膨大な数の写真が展示されており、その殆どが半裸の美少年で、猟奇的ですらある。そして、やっぱり女子が溢れていた。
だれもかれもが、時にはしゃがみながら微動だにせず真剣に写真を選んでいる。僕の友達も好きなグループ場所に行き、下から舐めるように写真を見ていた。
どこかで見た光景だぞ?とおもったら、それはTSUTAYAのアダルトビデオコーナーでDVDを物色する男の姿と全く一緒だった。
あの真剣な眼差しや苦悩の表情は性に絡まないと出せないものなのか?
人間って業が深い。
この辺まで来ると僕は場慣れしていたのでほぼ単独行動。ジャニーズに紛れてパフュームの写真などもあったので軽く物色するも、彼女たちに笑われる。納得がいかない。
あとTOKIOとか国民的アイドルの写真が全体的に少ないのも納得がいかない。あ、別にマッチの写真はいらないです。
ちなみに1件目であった男性客とはその後全てのショップで会った。禅僧がみれば悟りと認定してくれるような目を3件目あたりで彼はしていた。
しかし、この闇ショというのはなんなのだろう?あれだけ著作権に厳しいジャニーズの公式店のそばにありながら堂々と営業をしている。僕としてはヤクザのフロント企業説が一番しっくり来るんだけど、考えてみればジャニーズもヤクザと対して違いは無いので深くは考えないことにする。怖いしね。
3件回ってたらすぐに3時間が経った。
正直、僕のパワーゲージはもう真っ赤だったんだけれど、彼女たちはすこぶる元気。「さー本番はこれからだ!」と言わんばかりの気迫である。
ふと、中学生時代、エロ本を買いに二駅離れた「年齢制限フリー」の本屋までチャリで行った記憶を思いだした。やっぱりエロのパワーは偉大だ。
場所は戻って待機列。整理券片手に早速並ぶ。男は確認できる限り僕1人。周りの少女より頭一つ二つ高いから前方が良く見える。
いいさ、どんとこい。この3時間で僕は随分強くなった。
列が動き出し、ようやくジャニーズショップ原宿入場!である。
地下が商品スペース、地上が会計スペースということで、まず地下の商品スペースに通される。
正直拍子抜けした。まず、写真しかない。なんかグッズもあるのかと思ったら、写真オンリーでしかも数が少ない。それに、アングルも特段いいものがない。付加価値といえば写真にフレームが付いているくらいである。
「これなら闇ショの方がいい写真がたくさんあったぞ!」とアラサー男子として抱いてはいけないタイプの怒りがこみ上げる。
単独行動で、V6やらTOKIOの写真も探すがこれもやっぱり少ない。特に城島。少女たちは残酷である。
というわけで30分程度でジャニーズショップを退店。友人も数枚買ったのみ(レジまで1時間近く待ったけど)。ただ、中には100枚近く買う猛者もいるようで、やっぱり公式という看板はでかいのか?客単価狂ってそうだなあ。
こうして僕の大人の社会科見学は終わったのである。
正気を疑われるかもしれないが「行ってよかったなあ」というのが正直な感想である。やっぱり違うコミュニティを覗けるのはそもそも楽しいし、ジャニーズ漬の1日だったのでちょっとジャニーズが好きになった。
彼女たちをあんまり責めないようにしよう、とも思った。
その後、彼女たちは僕のことを「こいつは大丈夫だ!」と思ったらしく、割とフランクにジャニーズ関連の誘いをしてくるようになった。
この前はHay!Say!JUMPのデビューライブを収めたDVDをとカウコンの録画をぶっ続けで見た。Hay!Say!JUMPは全然知らないけれどエンタメとして面白かったし、カウコンはキンキとかもでてるからこれは文句なしにアガった。今年のは見よう。
あ、森本龍太郎くん芸能界復帰おめでとうございます!
僕はどこに行こうとしているのだろう。