「意識低い系」新入社員がつまずきやすい5つのカルチャーショック

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4月は新入社員の季節ということではてな界隈にも新入社員とか新人研修に関する記事が踊った。

b-zone-salariedman.hatenablog.com

 

meymao.hatenablog.com

高いよー、高いよーみんな志が高すぎるよー。なに?アンフェタミンでもキメてるの?

社会人歴数年の僕でも到底できない心がけだね。

 

入社から一ヶ月近く経ったわけだけどこれを読んだみんなちゃんと実践できてる?できてなくても、それは別に構わないと思うよ。重要なのはやろうとした意識の高さ。その志さえ忘れなければきっといつか花開くさ。だからGWはゆっくり休んで!

 

ただ、どちらかというと僕は、そんな君たちより「意識低い系新入社員」の方が心配だ。意識低い系だからと言って誰しも能天気に生きているわけではない。会社員になって初めて、自分の意識の低さや無能さを実感し、それゆえ生じる社会とのギャップに悩んでいたりもする。周囲とだいぶ差をつけられているので事態はより深刻だ。

果たして彼らはGW明けちゃんと会社に来るのであろうか?

 

というわけで今日は「意識低い系新入社員がつまずきやすい5つのカルチャーショック」について書いていこうと思う。意識の高い方々におかれましては「このレベルで悩んでいるのか・・・」と呆然とするとともに、どうか彼らの心中を察し、長い目で見てやっていただきたい。

 

カルチャーショックその1

・「会社には明確な上下関係がある!!」

いきなりこのレベルである。

「意識低い系」は基本的に上下関係の中に身を置いた経験が少ない。むしろ「先輩には敬語、礼儀には厳しく!」なんて文化は大嫌いで、先輩にも軽口を叩くし、後輩にタメ口で話されても気にせず笑い飛ばす、そういう優しい世界の住人なのである。

しかし社会に出たらそうはいかない。上司、取引先と社会には明確な上下関係があり、その都度、適切な対応をする必要がある。

まず、これに疲れてしまうのだ。なにせ、今まで殆どやったことがないのである。己のもともと多いとは言えないエネルギーを常に「礼儀作法」に注がなくてはならず、その疲労度と言ったら常人の比ではない。これにうまく適応できず、上下関係というルールそのものに憤りや生きにくさを感じ、全てを放り投げてしまう人もいるだろう。

 

カルチャーショックその2

 ・「毎日やることがある!!」

当たり前の話である。

でも、日々のんべんだらりとフラフラしていた「意識低い系」の人にとって「毎日必ずやらなければいけないことがある!」というのは想像以上のプレッシャーだ。たとえそんなにタイトでなくとも「予定がある」という事だけで何かに急かされている気になってしまう。「いつ迄に何をどうやって処理するか」という事を考えるのが脳の容量的に精一杯で、とても効率化などは思い浮かばない。結果として精神的プレッシャーと仕事の物量にいきなり押しつぶされてしまうのである。仕事がたまりやすいGW明け、彼らは大丈夫だろうか?

 

カルチャーショックその3

・「達成すべき目標がある!!」 

 当たり前の話である(二度目)

「意識低い系」にとって目標とは「できたらいいな」と同義であり、必ずしも達成すべきものではない。しかし、会社には達成しなければいけない目標があり、他の社員は(少なくとも目に見える限り)その目標を達成するための努力を惜しまない。会社全体の意識が高い所なら愚痴すらも出ないであろう。

「意識低い系」の人々は、その高い意識と熱量に圧倒され「自分はここにいてはいけないのではないか?」という劣等感に苛まれることになるのだ。かといって元々パワーの少ない彼らである。急に高い意識と熱量を持てるわけがない。劣等感はやがて疎外感に変わり会社に行きづらくなってしまう。

 

カルチャーショックその4

・「自分に選択権がない!!」

 そりゃそうである(変えてみた)

 仕事をする上で、新入社員である自分の扱いは極めて軽い。上司、取引先等の都合で予定はころころ変わるし、彼らの感情にも振り回される。新入社員が選択権を持つ場面なんて殆どないのだ。

しかし、「意識低い系」は違う。今まで出来る限り自分の気持ちを優先させてきた。別に自己中というわけではない。人間関係、バイト、授業など、さほど強制力がないものについては常に自分が選択権を持ち、積極的にそれを行使することで「自分の自由を阻害するものから、出来る限り離れてきた」のだ。これはもはや本能とも呼べるもので、社会人になった途端、急に選択権を取り上げられ、ただ振り回されるだけという状況は地獄に近い。

「会社を辞める」という最終的な選択権を行使する人が出てきてもなんら不思議ではないだろう。

 

カルチャーショックその5

・「みんな仕事や自分にプライドを持っている!!」

これはわかる人も多いかもしれない。

会社の人とお酒を飲みに行くと、とにかく仕事の話ばかり。みんな「これをこうしない上司が悪いんだ」「俺だって営業としてのプライドがあるから」なんて、恥ずかしげもなく公言する。少しでも茶化そうものなら、烈火のごとく説教されることさえある。「意識低い系」にはこれが理解できない。

もともと何事にも拘りとかプライドがないから「え、それマジで言ってんですか?たかが仕事ですよ?」と、口には出さないまでも、どうしても思ってしまう。

飲み会が多い会社なんか最悪だ。頻繁にこういう話を聞くことで、価値観のギャップは非常に埋めがたいものに思えてきてしまう。

こうなってくると後は「世捨て人」になるしかない。

 

まとめにかえて

とりあえず5ポイント書いてみたがいかがだったろうか?怒りを通り越して呆れた?それともちょっと共感した?会社人として長年生きてきた方が共感してくれると非常に励みになるのだが。

何を隠そうこの「意識低い系」というのは僕の事だ。それは社会人として中堅クラスになった今でも変わっていない。胃の痛い毎日である。

ただ、1つ変わったことといえば、仕事の中で一時的にでも「意識ない系」になれるようになったことだ。自分について何も考えない、相手についても特別な感情を抱くこともない、仕事についても機械のようにすすめる、そういう事ができるようになり、精神的負担は多少減った。

「なんだ、ただの思考停止かよ?」

確かにそうかもしれない。でも思考を停止することで心の落ち着きや客観性が少しでも身につくならばそれはそれでいいだろう。現に今、僕はようやくビジネス本とか自己啓発の本を読む意欲が生まれてきた。まあ、先人に追いつけるかどうかはわからないけれどね。

だから「意識低い系」のみんなにはとりあえず「意識ない系」になれるよう頑張ってもらいたい。そしてワンクッションおいて(目指したいのであれば)「意識高い系」を目指そう。

「意識低い系」がいきなり「意識高い系」を目指すとギャップやらなんやらで、かなりの確率で失敗するよ。

 

まあ何はともあれ僕はGW明けに「意識低い系新入社員」が恐る恐るでもちゃんと出勤してくることを願っている。